project

山麓のカフェの庭

岩肌を伝う湧き水の清らかさまで
表現した精緻な山裾の中庭

 日本百名山に名を連ねる赤城山の麓。なだらかな斜面に立つモダンなカフェに、その中庭はありました。訪れた人々は、ガラス越しに眺める庭との一体感を味わいながら、思い思いに過ごしています。
 当初オーナーさんは、ここにオリーブを植えたいと考えていたそう。しかし四方を囲まれ根元まで光の届きにくい中庭に、日差しを好むオリーブは不向きです。やがては繁茂して視界を遮り、店の魅力の一つである自然とのつながりを損ねる恐れもありました。
 28 LABOが提案したのは、山裾の傾斜を生かすこと。「モダンな建物の中に忽然と現れる〝深山幽谷〟をイメージしました。広さに制約のある中庭は、上へ上へと伸びていく樹形でないと鬱蒼としてしまうので、高所には日向を好むスリムで生長の遅いアオダモやソヨゴなどの高木を、樹冠の下には日陰を好むアブラツツジなどの中低木を選び、根元を下草や苔で覆いました」と菊池さん。
 特筆すべきは自然の傾斜を生かした湧水。岩肌を洗う小さな流れと豊かな緑が織りなす風景は深山幽谷の趣そのもの。みずみずしく涼やかな中庭が、癒しのひと時を届けています。

住まいnet信州Vol.41より

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