project

石積みのある庭

やわらかく外に開き
穏やかに内に閉じながら
やがて森の一部へ

 オオモミジ、ヒナウチワカエデ、ミツバツツジの樹間を縫うように、静穏な庭と住まいが見え隠れしています。
「軽井沢の自然と馴染む庭に」という要望に応え、菊池が手がけたこの庭。通りに面した所には多様な樹木を植えて、植栽だけで外部からの視線を遮れるように計画。デッキの先には自然石を低く積み、石壁を造成しました。周囲の景色と美しく調和した植栽と石積みが、プライベートとパブリックの領域をやんわりと伝える役割を果たしています。
「石を低く積んだのは外から見たとき、壁の存在感が出過ぎないようにするためです。既存の高木に常緑樹と落葉樹を織りまぜることで四季折々の風景が楽しめます」と菊池。
 もう一つの要望、「時間をかけて馴染んだ自然な苔庭」の実現には〝苔の種を撒いて育てる方法〟を提案。
「同じ敷地でも品種によって好む生育環境が違うので、苔の特性や配合に留意しました」。また、敷地の広さに合わせて厳選した景石を見映えよく配置するなど、印象的な見せ方にもこだわりました。
 きっとこの庭は歳月を重ねるごとに風景に馴染み、やがて森の一部へと育っていくに違いありません。

住まいnet信州Vol.43より

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